議事録の書き方|会議メモから決定事項・未決事項・次の行動を整理する例文

議事録を書くときは、会議メモを「決まったこと」「まだ決まっていないこと」「次に誰が動くか」へ分けます。発言順を整えるだけでなく、提案と決定を区別し、条件・担当・期限を落とさず残すことが大切です。

たとえば「会場が取れれば10月20日でよい」を「10月20日に開催する」と短くすると、未確定の開催日が確定したように伝わります。この記事では、小規模な社内会議の生メモから、会議後に使える議事録へ変える方法を説明します。

架空例:会議メモを議事録へ変換する

ここから使う「社内説明会の開催方法を決める会議」は架空の例です。人物・日付・発言・合意内容はすべて説明用の設定です。会議は2026年9月29日14:00〜14:30、参加者はAさん・Bさん・課長とします。

元の会議メモ:提案と合意が混ざっている

・A:説明会は10/20で進めたい
・B:その日、会場まだ空き未確認
・課長:会場取れれば20日案で準備を進めよう
・A、B:それでOK
・資料Aさん、初稿10/3まで → A了承
・課長が送付前に最終確認 → 課長了承
・B:明日までに会場の空きを確認、結果をAと課長へ連絡
・課長:会場確保後に開催日を最終確定する。取れなければ別日を相談
・案内は来週送る方針。送付日と送付担当はまだ決めていない
・A:オンラインもやった方がいい?
・課長:今回は決めず、参加人数の見込みを見て後で考える
・人数確認はA、10/3まで → A了承
・10/5 10:00の次回会議でオンライン併用の要否を判断
・資料の最終確認期限は未定。Aが初稿提出時に課長へ確認 → A了承

この段階では走り書きで構いません。ただし「資料Aさん」だけで作成範囲や期限が分からない場合は、記憶で埋めず、会議中のやり取りや本人への確認に戻ります。上のメモでは、初稿期限と本人の了承まで記録があるため、次の表に移せます。

完成例:決定・未決・次の行動を分ける

会議名:社内説明会の開催方法を決める会議
日時:2026年9月29日14:00〜14:30
参加者:Aさん、Bさん、課長
議題:開催日・会場、案内資料と送付、オンライン併用

議事録の記入例:決定事項と未決事項
区分 記録する内容
条件付きの合意 会場を確保できた場合、10月20日開催案で準備を進める。開催日は会場確保後に課長が最終確定する。確保できなければ別日を相談する。
決定事項 案内資料の初稿はAさんが作成し、課長が送付前に最終確認する。
合意した方針 参加者への案内は翌週(10月5日〜11日)に送る方針。具体的な送付日・送付担当は未決。
未決事項・保留事項 開催日の最終確定、オンライン併用の有無、案内の送付日・送付担当、案内資料の最終確認期限。オンライン併用は参加人数の見込みを確認し、10月5日の次回会議で判断する。
次の行動:担当・行動・期限または確認時点
担当 行動 期限・確認時点
Bさん 10月20日の会場の空きを確認し、結果をAさんと課長へ連絡する。 9月30日まで
Aさん 案内資料の初稿を作成する。 10月3日まで
Aさん 参加人数の見込みを確認する。次回会議でオンライン併用の要否を判断するための材料とする。 10月3日まで。判断は10月5日10:00の次回会議
Aさん 課長へ案内資料の最終確認期限を確認する。 初稿提出時
課長 開催日を最終確定する。会場を確保できなければ別日を相談する。 会場確保後。確保できない場合の相談日時は未定
課長 案内資料を最終確認する。 送付前。具体的な確認期限は未定

補足:案内の送付日・送付担当を決めるための確認担当と確認時点は、この会議では決まっていません。会議後に確認が必要な事項として残します。

「明日」は会議日を基準に9月30日へ、「来週」は翌週の期間へ直しています。期間が分かっても、送付日を10月5日などの一日に決めてはいけません。また、会場の空き確認は予約完了とは違います。このメモには会場予約の担当・期限がないため、Bさんの仕事に予約まで追加していません。

未決事項がある議事録も、会議の結果を正確に残した記録です。見た目の空欄を埋めるために、作成者が合意や担当を作る必要はありません。

コピー用の簡易議事録テンプレート

次の枠をコピーし、手元のメモから分かる内容を入れてください。条件付きの内容は条件も一緒に書き、不明な欄は「未定」「要確認」とします。

会議名:
日時:
参加者:

【議題】
-

【決定事項・合意した方針】
- 内容:
  条件・確定していない範囲(ある場合):

【未決事項・保留事項】
- 未決の内容:
  判断に必要な情報:
  次に確認・判断する時点(未定なら未定):

【次の行動】
- 担当:
  行動:
  期限・次回確認:

【参照資料・補足】
-

議題が複数あれば、各議題の下に決定・未決・行動をまとめても構いません。様式よりも、どの議題について何が決まり、何が残ったかを追えることを優先します。

議事録とは

議事録は、会議で実際に確認・決定・保留された内容と、その後の行動を残す記録です。会議に出ていない人や、後から読み返す人にも、結果と必要な経緯が分かるようにします。

すべての発言をそのまま残す文字起こしとは限りません。会議の目的や社内ルールに応じて、要点中心にまとめる場合も、重要な意見や議論の経緯まで残す場合もあります。この記事の様式は、小規模な社内会議向けです。法定議事録や取締役会議事録の様式・法的要件は扱いません。

柏崎市の「会議の進め方改善ガイドライン」(詳細版、37〜39ページ)でも、決定事項、担当・期限を含むToDo、決定に至らなかったことを明確にする考え方を示しています。

会議メモと議事録の違い

生メモから、他の人も使える記録へ
観点 会議メモ 議事録
並べ方 発言順。書きかけや個人的な備忘も入る。 議題ごとに結果と必要な経緯を整理する。
内容の状態 提案・意見・決定が混ざりやすい。 決定・条件付き合意・未決を区別する。
主語と行動 「資料」「課長確認」など、省略が多い。 誰が何を作り、何を確認するか分かる。
読み手 書いた本人には分かっても、他の人には伝わらない場合がある。 後から読んでも対象・条件・日付が分かる。

ここでは、作成途中のメモと共有用に整理した記録を区別しています。「会議メモ」という名前でも共有用に整えられた文書はあるため、名称だけで内容の良し悪しは決まりません。

会議アジェンダは、会議前に「何を共有・相談・決定するか」を整理するものです。議事録は、その予定に対して実際に何が起きたかを残します。アジェンダが「開催日を決定」でも、会場未確認で保留になったなら、議事録の結果は「開催日未確定」です。アジェンダの予定を、そのまま決定事項に写さないでください。

議事録で最低限残す項目

基本は、会議名・日時、参加者、議題、決定事項、未決事項・保留事項、次の行動です。次の行動には担当と期限、または次に確認する時点を添えます。

次回確認日や参照資料は、判断を再開するために必要な場合だけ加えます。今回の例なら、参加人数を見てオンライン併用を判断する次回会議の日時が必要です。場所や記録者など、社内様式で指定されている項目があれば追加してください。

発言を「決定事項」にしてよいか判断する

一つの発言だけで判断せず、その後に何が合意され、どの条件が残ったかを確認します。正式な判断が必要な事項は、決められる人の判断があったかも確認します。

  1. 「進めたい」「どうか」などの提案で止まっていないか。
  2. その案を採用する合意・判断があったか。
  3. 条件、対象範囲、確認待ちが残っていないか。

元メモの「10月20日で進めたい」はAさんの提案です。その後、課長が「会場が取れれば」と条件を付け、Aさん・Bさんが了承しています。合意したのは条件付きの準備方針で、開催日の無条件の確定ではありません。

書き方 例文
誤り 10月20日に開催することを決定した。
修正 会場確保を前提に、10月20日開催案で準備を進める。開催日は会場確保後に課長が最終確定する。

合意したか分からないなら「開催案として提案。合意の有無は要確認」と残し、主催者や判断者へ確かめます。反対が記録されていないことだけで、決定済みとは扱いません。

提案・意見・決定・未決を分ける

発言の状態を変えずに書くための表現
状態 今回の会議での書き方
提案された Aさんから10月20日開催案が提案された。
意見が出た Aさんからオンライン併用を検討してはどうかという意見が出た。
決定された 案内資料はAさんが初稿を作成し、課長が送付前に最終確認する。
条件付きで進める 会場を確保できた場合、10月20日開催案で準備を進める。
未決のまま 案内の具体的な送付日・送付担当は未決。
確認後に決める オンライン併用は参加人数の見込みを確認後、次回会議で判断する。

この表は発言を分類するためのものです。完成議事録に同じ内容を六つの欄で繰り返す必要はありません。結果の理解に必要な提案や意見だけ、補足として残します。「オンラインもやった方がいい?」は意見であり、「オンライン併用を決定」とは書けません。

「検討する」「確認する」で終わらせない

「オンライン併用を検討する」だけでは、何を集めれば判断できるのか分かりません。次に動ける記録は、判断材料を集める仕事と、その後の判断をつなぎます。

今回なら「Aさんが参加人数の見込みを10月3日までに確認し、10月5日10:00の次回会議でオンライン併用の要否を判断する」と書けます。担当・対象・期限・判断時点は、すべて元メモにあります。

これらが会議で決まっていなければ、同じ文を作ることはできません。「参加人数の確認が必要。確認担当・期限・判断時点は未定」と残し、確認を依頼します。会議後に決まった内容は、確認日と相手を補足し、会議中の合意と混ぜないようにします。

担当者と期限をどこまで書くか

すべての意見や決定の行に担当・期限を付ける必要はありません。ただし、次の行動が必要な内容には、原則として担当・行動・期限または確認時点を残します。

「課長が確認」では対象が曖昧です。「課長が案内資料を送付前に最終確認」と書けば、Aさんの初稿作成と区別できます。担当と判断・確認の役割が何度も混ざる場合は、RACIによる責任分担の整理も役立ちます。ただし、議事録作成者がRACIを当てはめて、新たな責任を割り当てるものではありません。

期限未定の最終確認は、「具体的な期限は未定。Aさんが初稿提出時に課長へ確認」と残します。「送付前」という順序は分かっていても、10月4日などの締切を作ってはいけません。担当も不明なら「担当未定」とし、確認する人まで未定である場合は、その不足を明記します。

決定理由はどこまで残すか

後から「なぜその案になったか」が分からなくなる重要な判断では、短い理由や条件を添えます。すべてのやり取りを再現する必要はありません。

今回のメモでは、会場が確保できることが準備方針の条件なので、省略できません。一方、会場費や収容人数を確認した記録はありません。「予算内で全員が入れるため」と理由を足すのは誤りです。理由が必要なのにメモにない場合は、判断者へ確認します。

発言者名をどこまで残すか

すべての文に発言者名を付ける必要はありません。名前を残す価値があるのは、判断者、作業担当者、追加確認の責任者、誰の意見かが重要な公式見解や異論などです。

今回なら、開催日を最終確定する課長、会場の空きを確認するBさん、資料を作るAさんの名前が必要です。提案の経緯まで残すなら、オンライン併用を提案したのがAさんであることも記載できます。発言の再現が目的ではなく、判断と行動の責任を追えるようにします。

議事録を書いた後に確認すること

元メモと完成稿を横に並べ、次の点を確認してください。

  • 決定していないことを決定扱いしていないか。
  • 条件付きの合意から、条件や対象範囲を落としていないか。
  • 未決事項・保留事項が残っているか。
  • 次の行動に担当があるか。未定なら未定と分かるか。
  • 必要な行動に期限・確認時点があるか。不明な日時を補っていないか。
  • 要約によって発言の意味や判断の強さを変えていないか。
  • 固有名詞・数字・日付が正しいか。

共有前の確認を定型化したい場合は、業務チェックリストの作り方で確認基準と、問題があったときの対応を整理できます。本稿はメモから議事録を作る手順、チェックリストは作成済みの記録を確認する道具です。

内容に迷いがある場合は、参加者や判断者へ該当箇所を確認します。議事録を送信しただけ、あるいは返事がないだけで、未決事項が合意済みに変わるわけではありません。訂正や会議後の決定があれば、元の会議結果と区別して追記・更新します。

議事録でよくある失敗

失敗 直し方
会話をそのまま書き起こす 発言順から、議題ごとの結果・必要な経緯・行動へ整理する。
要約しすぎて条件を消す 「会場が取れれば」を残し、開催日の最終確定と準備方針を分ける。
提案を決定事項にする オンライン併用の意見と、次回判断という結果を区別する。
アジェンダの予定を結果として書く 「開催日を決める予定」ではなく、実際には確定したかを記す。
「検討する」だけで担当・期限がない 必要な情報、集める担当、確認時点を記す。未定は確認事項として残す。
未決事項を残さない 送付日・送付担当など、未確定の範囲も別欄へ入れる。
発言者の意図を推測して補う 「Bさんは会場を予約するつもりだろう」などの推測を行動に変えない。
期限を勝手に設定する 「来週」を一日の締切にせず、合意した期間と未定の日付を区別する。
送っただけで合意済みとみなす 確認が必要な箇所を明示し、回答や実際の判断を記録する。
次回会議まで放置する 内容が鮮明なうちに整理・確認・共有し、期限が先に来る行動を担当者へ伝える。

会議後の作業状況を上司へ報告する場合は、進捗報告メールの書き方で現在地・支障・次の動きを文章にできます。会議の結果を残す議事録と、その後の状況を伝える報告メールは分けて使います。出張先での訪問内容を社内へ報告するときは、出張報告書の書き方で事実・所見・次の対応に分ける手順を確認できます。

まとめ

手元の会議メモから、まず「決まったこと」「まだ決まっていないこと」「次に誰が動くか」の三つへ分けてください。次の行動に担当と期限・確認時点を添え、分からない部分は要確認として残します。きれいに言い切ることよりも、実際の合意状態を変えずに伝えることが、使える議事録への第一歩です。

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