Excelの課題一覧やタスク一覧で「担当者ごとの未完了件数を確認したい」ときは、手作業で数えなくてもCOUNTIFS関数で集計できます。
この記事では、未完了を未着手+進行中と定義し、担当者名を参照する式を下へコピーして4人分を集計します。ポイントは「完了以外」をまとめて数えるのではなく、今後対応が必要なステータスを明示して数えることです。
完成例|担当者ごとの未完了件数
次の集計表を作ります。人物名、期限、課題名はすべて説明用の架空データです。
| 担当者 | 未完了件数 |
|---|---|
| 佐藤 | 2 |
| 鈴木 | 1 |
| 高橋 | 2 |
| 田中 | 1 |
| 合計 | 6 |
佐藤は未着手1件と進行中1件、高橋も未着手1件と進行中1件です。鈴木は進行中1件、田中は未着手1件だけを数えています。
今回使うタスク一覧
A列からD列へ、次の10行を入力します。
| 担当者 | ステータス | 期限 | 課題 |
|---|---|---|---|
| 佐藤 | 未着手 | 2026/10/02 | 見積確認 |
| 佐藤 | 進行中 | 2026/10/03 | 資料修正 |
| 佐藤 | 完了 | 2026/09/28 | 会議準備 |
| 鈴木 | 進行中 | 2026/10/01 | 手順書更新 |
| 鈴木 | 中止 | 2026/10/04 | 旧帳票移行 |
| 高橋 | 未着手 | 2026/10/05 | 課題整理 |
| 高橋 | 進行中 | 2026/10/06 | 申請確認 |
| 高橋 | 完了 | 2026/09/27 | 議事録作成 |
| 田中 | 完了 | 2026/09/26 | 定例報告 |
| 田中 | 未着手 | 2026/10/07 | 教育資料作成 |
集計表はF列とG列へ作り、F1に「担当者」、G1に「未完了件数」と入力します。F2:F5には佐藤、鈴木、高橋、田中を1人ずつ入力してください。
未完了を「未着手+進行中」と決める
今回の未完了件数は、これから対応が必要な未着手と進行中の合計です。
| ステータス | 未完了件数に含めるか | 今回の扱い |
|---|---|---|
| 未着手 | 含める | これから着手が必要 |
| 進行中 | 含める | 対応が継続している |
| 完了 | 含めない | 対応済み |
| 中止 | 含めない | 今後対応する対象ではない |
| 空欄 | 含めない | 未着手と同じ意味にはしない |
「完了以外」を数えない理由
たとえば、ステータス条件を"<>完了"だけにすると、未着手と進行中だけでなく、中止、空欄、会社独自のその他ステータスまで数える可能性があります。
そこで今回は、未完了として扱う「未着手」と「進行中」を別々に数えて足します。会社によって「保留」も対応対象に含める場合は、同じ形のCOUNTIFSをもう1つ足せます。先に自社のステータス定義を決めてから式へ反映してください。
COUNTIFSで未着手を数える
まずG2へ、佐藤の未着手件数を数える式を入力します。
=COUNTIFS($A$2:$A$11,F2,$B$2:$B$11,"未着手")
この式は、次の2条件を両方満たす行を数えます。
- A列の担当者がF2の値と一致する
- B列のステータスが「未着手」と一致する
Microsoft公式では、COUNTIFSは複数の範囲へ条件を適用し、すべての条件が満たされた回数を数える関数と説明されています。式では、条件を確認する範囲(criteria_range)と、その範囲で探す条件(criteria)を組み合わせて指定します。
進行中を足して未完了件数にする
次に、進行中を数えるCOUNTIFSを+で足します。G2へ入力する完成式は次のとおりです。
=COUNTIFS($A$2:$A$11,F2,$B$2:$B$11,"未着手")+COUNTIFS($A$2:$A$11,F2,$B$2:$B$11,"進行中")
前半は「担当者がF2、かつ未着手」、後半は「担当者がF2、かつ進行中」を数えます。2つの結果を足すことで、その担当者の未完了件数になります。
この架空データをWindows版Microsoft Excel 16.0で計算した結果、佐藤2、鈴木1、高橋2、田中1になり、合計は6でした。完了と中止は数えられていません。
全体の未完了件数も確認する
担当者を問わず全体だけを確認する場合は、次の式で未着手と進行中を足せます。
=COUNTIF($B$2:$B$11,"未着手")+COUNTIF($B$2:$B$11,"進行中")
この例の結果は6です。主役は担当者条件を含むCOUNTIFSですが、全体件数と担当者別件数の合計が一致するかを確かめる用途にも使えます。
式を下へコピーする
G2の式をG5まで下方向へコピーします。コピー後は、式内のF2だけがF3、F4、F5へ変わります。
元データの範囲は絶対参照で固定する
$A$2:$A$11と$B$2:$B$11の「$」は、式を下へコピーしても元データの範囲がずれないよう固定する指定です。
「$」を付けずに下へコピーすると、A2:A11がA3:A12のように動き、先頭行が集計対象から外れる原因になります。
担当者のセルF2は相対参照にする
一方、担当者名のセルはF2のままにします。下へコピーしたときに、佐藤のF2から鈴木のF3、高橋のF4、田中のF5へ変わってほしいためです。
$F$2と固定すると、下へコピーしても全行が佐藤を数えてしまいます。元データ範囲は固定し、集計したい担当者のセルだけを動かすのがポイントです。
この例の式は11行目までを参照しています。12行目以降に追加した行も集計するには、参照範囲の見直しが必要です。行を追加して使い続ける場合は、Excelで行を追加しても集計・抽出から漏らさない方法で、テーブルと構造化参照を使う手順を確認してください。
うまく数えられないときの確認ポイント
ステータスの表記がそろっているか
「進行中」と「対応中」は、Excelでは別の文字列です。今回の式が「進行中」を探している場合、「対応中」は数えません。
入力値をそろえるには、Excelでステータスをプルダウンにする方法を使い、未着手・進行中・完了・中止から選ぶ運用にすると集計しやすくなります。この記事では集計に集中するため、プルダウンの設定手順は繰り返しません。
担当者名に表記ゆれや余分な空白がないか
「佐藤」「佐藤さん」「佐藤 」のように入力が揺れると、別の条件として扱われることがあります。元データと集計表で同じ担当者名を使い、余分な空白を入れないようにします。
空欄を未着手と同じ扱いにしていないか
今回の式は「未着手」と「進行中」だけを数えるため、ステータス空欄は含みません。空欄を未着手とみなすかは業務ルールの問題ですが、意味が決まっていない空欄を自動的に未着手へ含める設計にはしていません。
中止を未完了へ含めていないか
中止は完了ではありませんが、今回は「今後対応が必要な件数」から外します。"<>完了"でまとめず、含めるステータスを明示すれば、中止を誤って数えるのを防げます。
期限切れ件数とは分けて考える
この記事で数えるのは、期限に関係なく担当者が持っている未着手+進行中の件数です。一方、Excelで期限切れの未完了行だけ色を付ける方法は、期限を過ぎた未完了行を見つけるための記事です。
たとえば佐藤に未完了が2件あっても、2件とも期限内なら、今回の集計では「2」になりますが、期限切れの条件付き書式では色が付かない可能性があります。抱えている件数の確認と、期限超過の発見は分けて使ってください。
課題管理表へ集計欄を追加する
課題管理表の作り方のように、担当者・ステータス・期限を1行ずつ整理していれば、表の横や別シートへ今回の集計欄を追加できます。
課題管理表は課題を起票して完了まで追うための土台、今回のCOUNTIFSはその一覧から担当者別の未完了件数を確認するための集計です。表の運用方法と数式の役割を分けると整理しやすくなります。
未完了件数は、担当状況を把握するための一つの目安です。件数だけでは課題ごとの難易度や必要工数までは分からないため、担当者の負荷を判断するときは内容や工数もあわせて確認してください。
まとめ
担当者別の未完了件数は、次の式で集計できます。
=COUNTIFS($A$2:$A$11,F2,$B$2:$B$11,"未着手")+COUNTIFS($A$2:$A$11,F2,$B$2:$B$11,"進行中")
- 未完了は未着手+進行中と定義する
- 完了、中止、空欄は今回の未完了件数へ含めない
- 元データ範囲は「$」で固定する
- 担当者セルのF2は固定せず、下へコピーしたときに変える
- ステータスと担当者名の入力値を統一する

