業務引き継ぎ表の作り方|次の行動が分かる無料Excelテンプレート

業務引き継ぎ表の作り方|次の行動が分かる無料Excelテンプレート

業務引き継ぎ表は、担当が替わる時点の「仕事の現在地」と「次にすること」を渡す一覧です。業務名だけでなく、済んだこと・残ること・次の担当と行動・その期限・確認先をそろえると、受け手が再開する位置を確かめられます。

この記事では、休暇中の代理対応や担当交代で、数件の業務を渡す場面を扱います。まずは下のExcelで1件を書いてみてください。すでに勤務先の指定様式や、必要な情報がそろった台帳がある場合は、それを優先し、別表への転記を増やす必要はありません。

無料Excelテンプレートと、最初の1行の入力方法

テンプレートは、空欄の「引き継ぎ表」と、3件の架空例を収めた「記入例」の2シートです。入力するのは5項目。空欄版には10件分を用意し、数式・マクロは使っていません。

[業務引き継ぎ表テンプレート V3(Excel)をダウンロード]

利用条件:個人利用・業務利用・改変・同一会社や組織内での共有は可。外部への再配布・販売は不可です。

業務に合わせて項目や記入内容を変更できます。元ファイル・改変ファイルとも、Webサイト、SNS、ファイル共有サービス等で不特定多数へ公開・配布したり、商品・特典・教材等として販売したりしないでください。テンプレートは業務整理の補助であり、特定の業務結果や正確性・完全性を保証しません。実務では勤務先の規程・正式様式を優先してください。

入力先は「引き継ぎ表」のA9です。「記入例」には実データを入力しません。

  1. ファイルを作業用の名前で保存し、「引き継ぎ表」を開きます。
  2. 渡す仕事を一つ選び、A9から右へ5項目を入力します。下の表が各列の書き方です。
  3. 受け手と、最初にすること・期限・確認先の資料が開けるかを確認し、保存します。続く仕事は10行目以降へ入力します。
入力する列 書くこと
A:業務・案件 仕事を特定できる名前。既存台帳があればIDも
B:現在の状態 済んだこと、残ること、未確認のこと
C:次にやること 担当者と具体的な行動。相手待ちなら次の確認行動
D:期限(次の行動) C列の行動をする日。年を含めて入力
E:確認先 確認する内容と、人・資料の場所

上部には任意の共通4項目「引渡者・引受者・交代日時・情報時点」があり、依頼メールなどで分かる場合に限り、Excelへの重複入力を省略できます。情報そのものが不要という意味ではありません。「情報時点」は、その表に書いた状況を確認した日時です。

黄色が入力欄、灰色が説明欄です。見出しまでの8行は固定し、表にはフィルターを付けています。長文の表示や10件を超える追加には調整が必要です。具体的な操作は後半の「入力後に文字が隠れる・行を増やす・印刷する」で説明します。

5項目は、こう書くと次の担当が動ける

1.業務・案件:再開する仕事を一つ選べる名前にする

「総務業務」「資料関係」では対象が広すぎます。「共用備品の在庫確認」「月次集計の提出」のように、受け手が何を扱うか分かる名前にします。

1行は、次の対応を一つ決められる仕事を目安にします。同じ案件でも担当や期限が異なる対応は行を分け、細かな操作手順までは書き写しません。既存の台帳IDやマニュアルの場所を添え、今回どこから再開するかを示します。

2.現在の状態:「済」と「残」を分ける

「対応中」「集計済み」だけでは、確認や提出まで終わったのか分かりません。たとえば、次のように分けます。

曖昧な書き方 受け手が再開位置を確かめられる書き方
会場手配中 済:空き状況を問い合わせ済み。残:回答待ち。予約期限は未確認
集計済み 済:9月分の入力。残:照合と提出

「済」「残」は書き分けの目印で、別の入力項目ではありません。確認できた事実だけを書き、分からない点は「未確認」と残します。受け手の引受可否が確認できていない場合も、「引受未確認」と区別してください。

3.次にやること:「担当者+動作」で書く

「報告資料」「確認対応」ではなく、「後任担当:集計表と元データを照合する」のように書きます。複数の引受者がいる場合は、「後任担当」ではなく各行を実際の担当者名や役割名から始めてください。

相手の返事を待っている仕事でも、次の行動を「回答してもらう」だけにしません。「後任担当:10時に回答状況と予約期限を確認する。無回答ならチーム責任者へ相談する」と、自分たちが動く内容を残します。

ここに書くのは、引き継いだ直後の一手です。その先の通常手順は確認先の資料で確かめ、例外的な注意がある場合だけ補足します。

4.期限:案件全体ではなく、C列の行動の日を書く

このExcelのD列は、隣の「次にやること」の期限です。案件全体の最終期限とは限りません。

たとえば提出期限が10月2日15時で、その前日に照合するなら、C列は「集計表と元データを照合する」、D列は「2026/10/01」とします。最終的な提出期限はB列に「提出期限:10/2 15時」と残せば、照合日と取り違えずに読めます。時刻が必要な行動は、C列に「10時に確認する」のように書きます。

予約の最終期限が不明でも、問い合わせる日は決められることがあります。その場合は、B列に「予約期限は未確認」、C列に確認担当と確認内容、D列に次の確認日を書きます。自分たちが確認する日と、相手が回答すると約束した日は別です。

次の確認日も決められない場合は、D列を「未定」とし、C列に「引渡者:チーム責任者へ確認担当と確認日を相談する」など、決めるための行動を残します。不明な日付を推測して埋めたり、未調整のまま引き継ぎ完了にしたりしないでください。本当に期限が不要な仕事は「期限なし」と書き、理由をC列に補います。

5.確認先:「何を・どこで確認するか」を組にする

「共有フォルダ」「前任者」だけでは、何を探せばよいか分かりません。たとえば「手順:共有/備品/確認手順」「差異の相談:総務窓口(社内窓口一覧)」のように、確認内容と場所・窓口を組にします。

渡す前に、後任者が資料を開けるか、必要な作業権限があるかを確かめます。退職する前任者しか分からない状態なら、交代後も使える窓口と資料を確認してください。パスワードや秘密の認証情報は表に書かず、勤務先で定めた方法で扱います。

架空の記入例:定常業務・回答待ち・最終期限がある仕事

以下はすべて説明用の架空データです。担当者・窓口・保存場所は実在のものではありません。情報時点を2026年9月25日17時、交代日時を9月28日9時としています。「記入例」シートと同じ3件を、読みやすいよう項目ごとに示します。

例1:共用備品の在庫確認(定常)

項目 記入例
業務・案件 共用備品の在庫確認(定常)
現在の状態 済:9/25の在庫確認。残:次回の在庫確認。
次にやること 後任担当:在庫表と実数を照合する。差があれば総務窓口へ確認する。
期限(次の行動) 2026/10/02
確認先 手順:共有/備品/確認手順。差異の相談:総務窓口(社内窓口一覧)

今回分が済んでいても、次回分は残っています。「確認済み」の一語で終わらせないのがポイントです。

例2:会場手配(未完了)

項目 記入例
業務・案件 会場手配(未完了)
現在の状態 済:空き状況を問い合わせ済み。残:回答待ち。予約期限は未確認。
次にやること 後任担当:10時に会場窓口へ回答状況と予約期限を確認する。無回答ならチーム責任者へ相談する。
期限(次の行動) 2026/09/28
確認先 照会記録:共有/会場/問合せ控え。相談:チーム責任者(社内窓口一覧)

9月28日は予約の最終期限ではなく、後任担当が確認する日です。相手待ちの間に、自分たちがいつ動くかを決めています。

例3:月次集計の提出(次回期限あり)

項目 記入例
業務・案件 月次集計の提出(次回期限あり)
現在の状態 済:9月分の入力。残:照合と提出。提出期限:10/2 15時。
次にやること 後任担当:集計表と元データを照合する。相違があれば集計担当へ確認する。
期限(次の行動) 2026/10/01
確認先 照合:共有/月次/集計手順。相違の確認:集計担当(社内窓口一覧)

次の一手は提出ではなく照合です。照合後の提出手順は、確認先の資料で確かめます。

入力後に文字が隠れる・行を増やす・印刷する

以下のメニュー案内はWindows版Microsoft Excelを想定しています。表示名はバージョンで異なる場合があります。

長い文章が途中で隠れる

該当する行を選び、[ホーム]→[書式]から行の高さの自動調整を実行します。それでも末尾が隠れる場合は、行番号の下側の境界をドラッグして広げてください。入力内容を短くする場合も、期限や未確認事項を削って見た目だけを整えないようにします。

この操作は、Microsoftの文字列の折り返しと行高調整の説明でも確認できます。

10件を超えて入力する

最初の表範囲は見出しを含む A8:E18 です。20件へ増やすなら、入力行は9〜28行になります。「表の範囲」と「印刷する範囲」は別々に確認してください。

まず、表内のセルを選び、[テーブル デザイン]→[テーブルのサイズ変更]で、範囲を A8:E28 にします。そのうえで19行目以降へ入力し、追加行の折り返し・行高・D列の日付表示を確認します。書式がそろわない場合は、元の入力行から「書式のみ」を貼り付け、実データまで重複させないようにしてください。

Excelには表の直下への入力などでテーブルを拡張する方法もありますが、追加できたかは実際の範囲で確かめます。操作はMicrosoftのテーブルのサイズ変更を参照してください。

追加した行も印刷・PDF出力する

20件の場合は「引き継ぎ表」の A1:E28 を選び、[ページ レイアウト]→[印刷範囲]→[印刷範囲の設定]を実行します。A8:E28 は表の範囲、A1:E28 は上部の説明・共通情報を含めた印刷範囲です。設定した印刷範囲は保存されます。詳しくはMicrosoftの印刷範囲の設定で確認できます。

テンプレートの用紙設定はA3横です。A4などへ変更する場合は、出力前に文字の大きさと改ページを確認してください。文字が読めなくなるまで全体を1ページへ縮小する必要はありません。

「引き継ぎ表」だけを選び、[ファイル]→[印刷]で作業中のシートを対象にします。ブック全体を対象にすると「記入例」も含まれるため、不要な例まで渡さないよう注意してください。プレビューでA〜E列、最後の入力行、長文の末尾を確認し、保存後に開き直して内容を確かめます。印刷対象の切り替えはMicrosoftのワークシートやブックの印刷を参照してください。

渡す前に、受け手と確かめること

確認するのは「ファイルを送ったか」ではなく、受け手が最初の行動と期限を理解し、必要な資料を使えるかです。「月次集計は入力済みだから、すぐ提出する」と受け取られたら、照合が残っている点を修正して共有し直します。

フィルターは解除し、手動で隠した行がないかも確認して、対象業務をすべて見られる状態で渡します。並べ替えは行全体の対応を崩さないように行い、「未定」の行を見落とさないよう確認してください。

引受可否が未確認の仕事、期限に間に合わない仕事、アクセスできない資料がある仕事は、そのまま完了扱いにせず、誰が不足を解消するかを決めます。引き受けた日や未引受の行は、メールやチャットなど既存の受け渡し記録に残せば十分です。

引き継ぎ完了と、業務そのものの完了は別です。 未解決の仕事が残っていても、次の担当・行動・期限の扱い・確認先が明らかで、受け手が引き受けたなら、受け渡しの区切りを付けられます。渡した後に状況が変わった場合は、情報時点を更新し、変わった行と次の対応を伝えてください。

課題管理表・チェックリスト・マニュアルとはどう使い分けるか

この5項目は、小さな引き継ぎのための整理方法であり、すべての職種に共通する正式な標準様式ではありません。

目的 情報を置く先
担当交代時の現在地と次の一手を渡す 今回の引き継ぎ表
課題の発生から解消まで、状態や経緯を追う 課題管理表
毎回の操作や合格基準を確認する マニュアル・業務チェックリスト
施策の指標や見直し条件を管理する 施策実行計画表

既存台帳に状態・担当・期限・確認先がそろい、後任者が使えるなら、その台帳で担当変更を確認するだけで足りる場合もあります。引き継ぎ表を別に作るときも、台帳IDと場所、今回の交代で変わる点に絞り、引き継ぎ後の更新先は元の台帳へそろえます。退職の人事手続きや承認書類は、勤務先の指定に従って別に扱ってください。

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